時雨道

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GSX-R1000R 弄り:サスペンション調教録

ジスペケちゃんのサスは硬い。

自分の住む秘境地域ではアスファルト舗装が経年劣化で風化して、割れ目だの盛り上がりだの陥没だのマンホールくん迫真の自己主張だのが発生しがちだ。

セローくんはオフロードバイクだから事実上の未舗装道路を難なく乗り越えられるのだけど、ジスペケちゃんは純血のオンロード車。乗り上げる度にタイヤの接地感を失いハンドルを取られて操縦不能になるのでは残機がいくらあっても足りない。

 

というわけでジスペケちゃん改造計画第二弾として、サスペンション調教を開始。

お前を芸術sん・・・てあげんだよ! お前を芸術s、品にしたんだよ!(お約束)

 

サスセッティング

 

バイクのサスペンションは、国内出荷時の場合は体重65~75Kgのライダーが乗って丁度良くなる塩梅が初期設定とされている。

海外製ツアラーの場合はGAIJIN兄貴が二人乗りを想定したり、スポーツバイクの場合はサーキット走行を視野に入れた調整をされていたり等…… 要するに、パイの大きい用途やライダーに的を絞った設定だ。

GSX-R1000R の想定体重は不明だが、身長164cm体重58Kg前後の自分ではサス設定が適正オーバーなのは明らかである。

まずはサスペンションを柔らかくする方向で進めよう。本当は「サグ出し」という基準点を決める作業をした後がベストなのだけど、サーキットを走るわけでも無ければおおよその感覚で調整しても問題ないだろう。

 

プリロード設定

プリロード設定とはサスペンション内部のバネを予めどのくらい縮めておくのかを決めることだ。

プリロードが強ければ最初からバネが縮んだ状態であるためサスペンションが固くなり、逆に弱ければバネは伸び切った状態に近いため柔らかくなる。

冒頭の通りジスペケちゃんのサスは自分にとってはカッチカチなのでとりあえずプリロードは最弱に設定してみる。

 

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前側のプリロードはコインドライバーを用いて調整する。説明書では「六角レンチを使え」と書いてあるけど隙間とトルク的に絶対に舐める(確信)。しかもコインドライバーでも傷つく気配があったからゴムシートで養生してから緩めた。

左右ともに最弱に設定したら、少し動かしてもわかるレベルでサスペンションがしなやかになった。これなら段差を乗り上げても大丈夫そうだ。

 

 

 

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次はリアサスペンションのプリロードを緩める。

邪魔なステッププレートを外してから実施。なお、ネジ切り部分に溜まってる砂やゴミを取り除かないと悲惨な事態になるのでエアダスターやブラシを使って念入りに掃除をしてから作業をしよう。

スプリング上には2個のナットがあり、一番上にある歯車状のロックナットを緩めてから下の調整用ナットを緩める。緩める……のだけど、固い。固着してビクともしない。マイナスドライバーをハンマーで叩いてもピクリともしない。

 

 

 

 

 

 

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サンデーメカニック虎の巻第三条! 力で駄目なら追い課金!

というわけで、近所のホムセンに泣きながら駆け込む&追加のフックレンチを購入。

前もって購入したキタコのレンチは先端が丸まっていて上手く歯車に引っかからず、それが大敗北の要因の一つだから歯車に引っ掛けやすい形状のブツを購入した。

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つよつよレンチはロックナットに、よわよわレンチは調整ナットに噛ませる。剪定バサミを閉じる要領で全身全霊を込めて力を加えたら『ゴキン』と鈍い音を立ててロックナット緩んだ。やったぜ。

 

どうやら僅かな隙間に入った砂ぼこりが要因のようで、細かな粒子がナット接合部を覆っていた。エアダスターで掃除をしてから、スルスルと動くようになったロックナットと調整ナットを緩めてサスペンションを伸ばしていく。

リアも最弱にしようと思ったけど、また固着したら面倒だからロックナット2,3回転分は上げられる余裕を残しておく。

 

試しに跨ってみると、脚付きがかなり良くなっていた。

調整前は足の指関節がギリギリ設置するかどうかだったのに対して、調整後は指の付け根付近まで地面に着くようになった。

文字に起こすと誤差に思えるけど、自分の体重と200キロ級バイクを支えるという点においては非常に大きな差だ。これなら不安定な地面でも体重を支えやすくなる。

 

減衰力調整

 

niya-niyari.hatenablog.com

 

納車直後に標準状態に戻した減衰力アジャスターだけど、プリロードも弱めたことだし一度最弱の状態にしてみる。

 

とは言っても、スロットル操作による姿勢の変化やタイヤの設置感などのバイクの乗り心地に関与するのは主に伸び側(サスが戻るスピード)調整で、圧側(サスが縮むスピード)調整は仕上げに行うのが一般的だ。

とりあえず今回はフロント伸び側は2回転だけ緩め、リアの伸び側は最弱に設定した。

 

 感想

調整してから200キロ程走った感想としては「メッチャしなやかになった」。

 

段差の突き上げが減少したのは勿論、タイヤの設置感が強くなり、以前よりも振り回しやすくなった。後輪が地面を削るような感覚が最高。

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また、バイクを傾ける感覚もわかりやすくなったからか、納車時よりも寝かせられるようになった。タイヤの端まで使おうという意識はないけど、タイヤ交換費用も馬鹿にならないからキッチリ使い込めるようになりたい(貧乏性)。